技術情報 − ピュアキレイザーの特徴・構造

促進酸化処理法(AOP)解説

ピュアキレイザーはオゾン・紫外線・光触媒の3つを一体化させる事で単独作用の数倍の相乗効果で除菌と浄化(有機物分解)を行います。

 
 

ピュアキレイザー三位一体構造

ピュアキレイザーは通常循環系統の中でろ過器の2次側(ろ過器を通過した後)にバイパス配管により設置します。ろ過器で処理された水はピュアキレイザーの中をワンパス(一方通行に通過するだけ)によって有機物の分解やレジオネラ属菌などの除菌を行います。

 
 

プール・温浴施設では

ピュアキレイザーは、プールや温浴施設にみられる「殺菌」、「塩素臭」、「経費削減」などさまざまな問題を解決します。

 
 

導入事例

エクシブ箱根離宮様(神奈川県箱根町)

設置浴槽:男女内風呂、露天風呂

泉質:ナトリウム-塩化物温泉、単純温泉

 

会員制リゾート業界トップを誇る「エクシブ」でおなじみのリゾートトラスト社様が運営する各ホテルにおいて多数の採用実績があります。

すわっこランド様(長野県諏訪市)

設置浴槽:プール、男女浴槽

泉質:単純温泉

 

諏訪市の健康づくりの拠点である健康増進施設においてプール、浴槽系統に設置。水質の向上や経費削減などを目的に設置していただきました。

 

ピュアキレイザーにできること

強い殺菌力でレジオネラ属菌や一般細菌から水環境を守ります。

ピュアキレイザーは強い酸化力を持つオゾンを発生させながら、促進酸化処理法(AOP)によるOHラジカルの相乗効果で浴槽水の殺菌を行います。また、塩素が効きにくい環境下(アルカリ性温泉など)においても高い殺菌力を発揮します。

気になる塩素臭や汚れにも効果的!

プールや温浴施設で感じることの多い塩素臭の正体は「結合塩素」と呼ばれる化合物によるものです。この結合塩素は独特の臭いのほか、目や肌の刺激の原因ともなり、時にはアトピー性皮膚炎を悪化させることもあります。ピュアキレイザーはこの結合塩素の生成を効果的に抑制し、臭いや刺激の少ない遊離残留塩素を守ります。また塩素系などの薬剤では不可能であった有機物を分解することが可能となりますから、プールなどでは透明度が飛躍的に向上します。

省エネで経済効果が期待できます。

プール・温浴施設では安全できれいな水環境を維持するため換水や逆洗浄は必須ですが、ピュアキレイザーの導入で換水、逆洗の回数を最大限少なくすることにより「源泉の使用量」、「上下水道代」、「換水や補給に伴う光熱費」が削減できます。

 

ピュアキレイザーによる殺菌の特徴

●塩素の20倍以上の酸化力です。
●細胞を直接破壊し耐性菌を作りません。
●細菌の繁殖を促すような有機物も分解します。
●塩素が効きにくい環境下(アルカリ性温泉など)でも効果的に殺菌可能です。

塩素殺菌との違い

塩素殺菌や紫外線殺菌は細胞壁を通過して細胞内に浸透し不活化させるものですが、これでは耐性菌ができやすいと言われております。オゾンやOHラジカルは細胞そのものを破壊するため、耐性菌をつくりません。

オゾンによる殺菌メカニズム

 

学生寮での経費削減効果の事例

日本航空学園様(能登空港キャンパス内「青雲寮」)
入寮生徒数:500名  浴槽容量:21㎥

 

日本航空学園様では、1日の入浴人数が多かったため、水質の悪化を防ぐ目的で2日に1回の換水(お湯の入換え、清掃)をされておりました。ピュアキレイザーの設置により、水質が安定(日々の水質検査を実施)したことから換水およびろ過器の逆洗浄頻度を低減することにより、浴槽水の除菌・浄化と大きな経費削減を同時に実現されました。

 

21㎥浴槽

10㎥浴槽

ピュアキレイザー設置前・設置後の1年間の使用状況の比較

項 目 設置前 設置後 削減率 備 考
換水回数(回) 183 26 86%
2日に1回から、
2週間に1回の換水
ろ過器の逆洗浄回数(回) 365 156 57% 毎日から1週間に3回の逆洗浄
上下水道使用量(㎥) 5,366 1,752 67%
ガス使用量(㎥) 20,747 16,118 22%
上下水道料金(円) 2,205,221 720,072 67% 年間1,485,149円削減
ガス料金(円) 5,186,650 4,029,600 22% 年間1,157,050円削減
ピュアキレイザー電気料(円) 0 134,904
コスト合計/削減効果 7,391,871円 4,883,766円 1年間で約250万円以上の削減!

※公衆浴場の許可を受けている浴場施設は各自治体の公衆浴場法条例を準拠する必要があります。

 

農業(養液栽培)では

ピュアキレイザーは、水耕栽培に見られる「病原菌などの殺菌」、「溶存酸素の富化」、「培養液の浄化」等、さまざまな問題を解決します。

 

ピュアキレイザーの特徴

●培養液の伝染性病害を予防します。

●アオコの発生を抑制します。

【1週間後の培養液の状態】
アオコによる緑色がなくなった。

 

●培養液中に植物に必要な溶存酸素を富化します。
●廃液の再利用が可能です。
●原水(地下水・雨水・河川水)の除菌・浄化が可能です。

 

水耕栽培におけるピュアキレイザーの実証データ

■実践圃場 : 太陽光型植物工場
■培養液量 : 約20㎥
■オゾン発生量 : 2.0g/h

培養液における除菌効果

夏場の水耕栽培における根腐症状などは深刻な問題となっています。これらは培養液の殺菌が不可欠ですが、一般的に水耕栽培での農薬には制限があるため、農薬を用いない殺菌方法としてピュアキレイザーによる除菌・浄化効果を記載しました。
試験区(ピュアキレイザー設置)と対照区(未設置)における一般細菌数や大腸菌群数はともに低い値で維持されています。これによりピュアキレイザーによる除菌効果が高いことが分かります。一般細菌のグラフ中では40日目から値が上昇しておりますが、これは弱(間欠)運転を行ったことによるもので、対照区に比べ100分の1程度に抑えられております。

 

培養液における溶存酸素の富化

■実証圃場 : 自社
■対象水量 : 40L(精製水)
■オゾン発生量 : 0.5g/h

 

一般的に水耕栽培における培養液中の溶存酸素量(DO)は、酸素欠乏による生育障害を防ぐためにさまざまな供給の工夫がなされています。ピュアキレイザーでは培養液を循環させることで、グラフからも分かるように溶存酸素を富化させることが可能です。
この試験では各水温においてそれぞれ約20%増加し、運転停止約3時間後においても飽和状態を維持していることが分かります。単純に溶存酸素のみを富化させた場合、培養液中の微生物も同時に活性化することから生育障害を起こすこともありますが、ピュアキレイザーでは培養液中の除菌とともに溶存酸素を富化させることが可能なことから植物の根を健全な状態に維持することが期待できます。

 

水景・鑑賞池 では

ピュアキレイザーは、水景・鑑賞池における、アオコの発生や臭いなどを抑制し、透明度の改善に利用されています。特に水盤では塩素や銅・銀イオンとの併用により水盤壁面のヌメリや藻の発生の抑制効果もあります。

 

ピュアキレイザーの効果検証結果(1)

設置後、数週間で改善され、約1年経過後も 水質の改善効果が維持できており、水の清澄作用が確認できる。

 

ピュアキレイザーの効果検証結果(2)

設置後、2週間でアオコの抑制が確認できる。

 

クロロフィル 削減効果/一般細菌数 除菌効果
(処理水40ℓをピュアキレイザーで除菌浄化した時のデータ)

単位:μg/ℓ

設置場所 クロロフィル
(アオコの主成分)
処理時間
設置前 設置後
某鑑賞池 3.3 0 15分以内
某ゴルフ場池 40.0 15分以内
某鑑賞池 700.0 240.0 60分
某水景 3.2 15分以内

単位:個/mℓ

設置場所 一般細菌数 処理時間
設置前 設置後
某調整池 29,000 0 15分以内
 

工業(純水の除菌浄化・再利用)では

純水ラインでの設置事例

純水には殺菌作用がなく、細菌が侵入しやすい環境にあります。この細菌が繁殖すると、純水中の不純物となり、製品不良に繋がります。また、殺菌の為に薬品を使用するのは、純水環境下では制限されます。そこで、促進酸化法を用いると細菌を分解し不活化していくので、ぬめりの発生を抑制し、後工程への負荷を減らします。

 

ピュアキレイザーの効果検証結果(1)

金めっき洗浄槽における改善効果

 

ピュアキレイザー設置前の洗浄槽では、水槽の壁面に付着するカビやバクテリア等が確認できます。設置後は、水槽の壁面に付着物もなく、清掃が困難な配管部も浄化され、安定した純水が確保されます。右の表は、ピュアキレイザー設置前と設置後の一般細菌数と有機物量(TOC)を表しており、大幅な改善効果が確認できます。

換水から1週間後の比較

検査項目 設置前 設置後
一般細菌数(個/mℓ) 94,000 3
TOC(mg/ℓ)  6.9 3.1
 

ピュアキレイザーの効果検証結果(2)

銅めっき洗浄水における改善効果

 

従来は1週間も放置すると配管内がバクテリアにより詰まり、清掃が必要になります。 ピュアキレイザー設置後は1ヶ月経っても配管清掃した当時の状態が保たれていることが分かります。頻繁に行っていた洗浄槽の清掃にかかる人件費が削減され、メンテナンスの時間も大きく短縮する事が出来ました。